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  • 2012.05.04 Friday
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クラは忙しい

 このごろ、クラは姿を見せません。
毎日来るのは、ハットリ。日に三度も飯を食っていきます。







夏頃撮ったクラです。こいつ、メジャーデビューしおった。
飯食って、イビキかいて寝てたこいつが・・・

そうです。クラは忙しいんです。まんがには出ねばならんし、蔵屋の主だし、
町に行って田舎モダンを売ってこねばならんし。

お疲れさま。尊敬致します。

蔵屋物語 第三話

  「カカシ」 栗山匙太郎 作







里にも雪が舞い落ちたある日のことである。
蔵屋の硝子戸を乱暴に開けて入ってきた男がいた。
「タ、タ、タ、丹下左膳だぁ」
「・・・」
蔵之介は応じなかった。
「タ、タ、丹下だぁ。左膳だぁ」
蔵之介はわざと天井を見上げ、やれやれと呟いた。
「おめ、タ、タ、丹下左膳知らねのか。この目ん玉の傷っこ知らねってか」
「知らね」







男のいきおいは失せ、落日のようにうなだれてみせた。
「なにすに来た」
「おらの壺っこ、ねべが」
「ね」
男は消沈しきった。すると今度はやつれた面を上げ、
「あああああああ!」と、ふやけた声を発した。







「おめ、万作のとこのカカシだべ」
「んだ」
「どうすた」
「もうお役ご免だぁ。稲っこは刈ってしまったし。ほれ、見てみろじゃ」
男は左目の傷を指差した。
「この傷っこ。ガキどもが画いていったじゃ」







「よぐ画けてるじゃ」
「あほ。そったなこと、褒めるんじゃね」
「だば、なんて言ったらいいべ」
男は深くため息をつき、
「なぐさめてけろじゃ・・・」と言ってさめざめと泣いた。
蔵之介はそれから小一時間ほど万作のカカシをあれこれなぐさめた。

「一歩は二歩でね」

ジャラジャラすだれ

 産業まつりに出店している間に、なんだか東京の方で
田舎モダン研究所なるものができたようです。

田舎モダンとは何ぞや?

研究発表を読んで勉強しなくちゃなあ。
おいらはただ、これ、田舎くせ、って思うだけなんです。
でもその田舎くせにも妙にときめくものがある。

そこらあたりの心理を学術的に分析されていくようです。
よし。勉強するか。でも、テストはなしよ。








ジャラジャラすだれ。

これなんかも、おいらには、田舎モダンです。
わざと顔にぶつけて潜って出入りする。あの感触、ちょっと好きであります。

これ、箱つきです。だから何なの?そう、箱があろうがなかろうが・・・
ああ、売れそうもありません。

「蔵屋物語」第二話

 「寒桜」 栗山匙太郎 作









蔵屋の店の中は静まりかえっていた。
居抜きで借りた五坪ほどの店に来る客は、日に一人か二人ほどだった。
それも冷やかしが多い。売上げのない日々がつづくと、蔵之介もさすがに
肩を落とした。文机の上に置いた時計の音だけがたよりなく時を刻んでいる。









「こんにちわ」
戸口に立つその人の周りだけ、春が香り漂っているようだった。
「いらっしゃいませ」
蔵之介は思わず都会のことばを口にした。
「あの、こちらにかわいい時計はないかしら」
桜のようなその人は、おもむろに狭くほの暗い店の中を見回すと、
あら、と、さくらんぼのような声を一粒洩らした。







「かわいらしい時計ね。おいくらかしら」
「すみません。これは売り物ではないのです」
「あら、残念だわ。他にはないの?」
「あいにく時計はこれだけです」
その人は深く吐息をついた。そして寂しげに沈黙をつづけたが、
「あたし、時計に未練があるの。だって時を刻むものって、人の暮らしの
証しですものね・・・」
そう言い残して透き通るように去っていった。









蔵之介は黒猫である。
人には見えないものを彼の瞳は映していた。
あの人が哀しい来歴の持ち主であることも、そしてこの世の人ではないことも
戸口に現れた時から判っていた。時計を売ることはできなかったのである。
あの人はこの世に未練を残してはならない・・・蔵之介はスルメをしゃぶりながら、
改めてこの世のぬくもりを覚えずにはいられなかった。

「蔵之介さあ〜ん」
遠く寒い山の方から、はかなく声が聞こえたような気がした。


店頭ボトル

 今度の土日は江刺の産業祭に出店することになりました。
ただいまその準備中。どうしよう、二日間です!

売るもの、ね。(無い・・・という意味)

また在庫処分でいきますか。
食器は重いし、持って行きたくないし・・・でもいっぺあるし。
こんな悩みを抱えながら準備してます。








こちらは空のボトル。革の服を着てます。店頭PR用でしょう。
う〜ん。オールドパーか。何度か呑んだことあるな。

見てたら、しみじみ、呑みてくなった。
本町の焼き鳥やのホホ肉、食いてくなった。

クーちゃん、買ってきて!

四コマ文学「蔵屋物語」第一話

 第一話 「シャレた瓶こ」 栗山匙太郎作







 栗山匙太郎はさきほどから窓外の小道をおもむろに眺めていた。
秋は深まり、枯れた葉が時おり風に吹かれ、また虚しく道の上に舞
い落ちた。







 軒下にはいつもの黒猫が、秋の斜光を受けながらうずくまっている。
彼はその猫に蔵之介と名付けていたが、呼んでもまだ一度も振り向く
ことはなかった。
 愛用の籐椅子に凭れ、この猫が主の古道具屋の話を思い浮かべな
がら、退屈な午後を凌いだ。







「寒なはん」
 蔵屋の重い硝子戸をぎこちなく開けて入ってきたのは、町の外れで
食堂を営む六兵衛だった。夏でも毛糸の帽子を被っている。
「おもせの、あるが」
「シャレた瓶こ、へった」
 蔵之介は文机に頬杖を付いたまま、愛想なく応じた。







「はぁ、ただのコーラの瓶こでねが」
「んでね。この瓶こ、ウエストサイドで飲んでた奴だ」
「嘘こけ。おらほの小屋さもいっぺあるじゃ」
 蔵之介は思わず目を伏せた。あれは、六兵衛の小屋だったのか・・・・・・
まだほの暗い小屋の奥には、煤けた福助が欠けた丼の中に横たわっている。
 しかし彼はそれを断念した。硝子戸の外を凩がしきりに吹き過ぎていた。



プレスの小鉢

 今年の紅葉はあまりよくありません。
色づく前に枯れてはらはらと散っています。

小岩井のまきば園あたりをぶらついてみました。
なんぼか、いい感じ。







もみじです。







ま、こんな感じ。そんで・・・







どはっと、こうじゃ!







紫の実。紫式部じゃないよね?







ついでに・・・それと、







古い消火栓も紅葉しております。

さて、お次は・・・







お空にかざしたプレスの小鉢。







この手・・・あの有名な、書道家の、栗山匙太郎先生の手ではありませんか!
「一歩は二歩でね」・・・この名句、、、浮かぶまでに一年かかりました。

(詳しくは「田舎モダンな話っこ」をご覧ください。)







昭和の20年代でしょうか。このプレス小鉢、品薄になったので見っけてきました。

真鍮のバッタ

 バッタ。いなご。

よく捕ったもんですが・・・佃煮で食べる時代でした。
でも、あまり食ったことはありません。捕るのが専門。捕って、どうする訳でもないのですが。







このバッタ。根性悪そう。

「ずいぶん貫禄ありますね」
「うるさい」
「あの、親分さんですか」
「うるさい!この、こわっぱ!」







あ、怒っちゃった。

貫禄がある訳です。真鍮製です。ずっしり重い。
ちょっと小物入れみたいになってます。でも、何を入れるんでしょう?

「あの〜。カラシ入れですか」
「アホか。小僧。砂金入れておくのよ」

ほおぉぉ・・・







スチールの折りたたみテーブル。これ、結構便利です。

クラが物売る時のテーブルです。

ミント色が田舎にしてはハイカラです。

モトクロスのアラーム時計

 クラは毎日商売に出かけています。
しっかり稼いでおいで。でも、今日は、雨。

赤煉瓦マーケットで、はきごをかぶってがんばってるんだろうな。
いっぱい稼いできたら、ご褒美に新しい長靴を買ってあげましょう。
ピンクのリボンの付いた奴を・・・







まだ、一時半か。

うん?この時計?見覚えないな。







モトクロスのアラーム時計。しかもハンドルが片方、取れてる。

「どうしたの、これ?」カミさんに尋ねると、
「ちょっとこれ、凄いのよ!」いきなりアラームをセットすると・・・

ブホオ〜ン、ブホホホ〜ン!バババダダダア〜!

家中を騒音が駆け巡りました。・・・あれ、クラが戻ってる。

「ずいぶん早いな」
「腹へった。飯食わせろ」
「稼ぎはどうだった?」
「皿っこ、一枚売った」
「・・・ ・・・」

ブホホホホ〜ン!!!

「ああ ゴーゴー時代」。

 深夜の更新。もう12時を過ぎてます。

家の周りは、シーン。
6月はカエルの大合唱なんですが・・・

都会はさぞ賑やかなんでしょうね。







昭和の繁華街です。
黒澤明の「天国と地獄」のシーンが浮かびます。







いしだあゆみだ。ブルーライトヨコハマ。
そうです。この繁華街、横浜の中華街です。







「ああ ゴーゴー時代」。

ごったごったと、色を塗りたくりました。このド田舎カラー。
気合を入れました。

アトムも飛んでる。サンダルもある。訳、わからん。


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